FRグリース L

装置産業では、年々グリースの難燃化に対する要求が高まっています。このニーズをもとに、潤滑だけではなく、火災を防ぐグリースとしてFRグリース Lを開発しました。
FRグリース Lは、着火しにくく、着火しても延焼しにくい性能を最大の特徴とする画期的なグリースです。火災、延焼を最小限に抑えます。
FRグリース Lの特長
- 1.非延焼性
- 火源を取り除くと、燃焼を継続しない性質を持ちます。(特許番号 特許第4268789号)
- 2.耐着火性
- 着火温度が高く、900℃に加熱した鋼球を投入しても着火しません。
- 3.高い耐荷重性
- 極圧リチウムグリース同等の耐荷重性を有します。
- 4.優れた圧送性
- 見掛け粘度も低く、プラッキング現象を起こしにくいため、集中給脂システムに適用できます。
主な用途と適用部品
着火の可能性のある、種々設備の転がり軸受、すべり軸受、ギヤ駆動部への使用に適します。
- 焼却炉、乾燥炉、熱風炉などにある各種軸受など
- 防火対策を必要とする鉄鋼設備
- その他、溶接、焼入れ、鋳造ラインなど、火種がある産業機械・設備の潤滑
一般性状
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 | |
---|---|---|---|
増ちょう剤 | - | リチウム石けん | |
基油 | - | 鉱油 | |
混和ちょう度 | JIS K 2220.7. | No.0: 372 No.1: 325 |
|
使用温度範囲 | - | -10℃ ~ 130℃ |
非延焼性
一般の極圧リチウムグリースとFRグリース Lとの延焼実験の比較です。一般極圧リチウムグリースは、グリース全体に燃え広がりますが、FRグリース Lは1分余りで自然鎮火します。また、延焼後の残グリースは、一般極圧リチウムグリースは液状となるのに対し、FRグリース Lはグリース状を保持します。
- 試験方法
- アルミ容器(パレット)にグリース200gを入れ、約950℃に加熱した鋼片(15cm)を投入する。
- 延焼及び自己鎮火するまでの時間を測定し、残グリースの状態を確認する。
延焼比較実験結果(スケール飛び込み後の着火を想定)
当社一般極圧リチウムグリース

鎮火せず燃焼し続けるので、強制消火(4分7秒)。燃焼後のグリースは液状化した。
FRグリース L

耐荷重性
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FRグリース Lは、極圧リチウムグリース以上の耐荷重性能を持ちます。
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高速四球式耐荷重性能 <ASTM D 2596>
試験方法 FRグリース L 極圧リチウムグリース(当社一般品) L.N.S.L.
(最大非焼付荷)ASTM D 2596 981 784 W.P.
(融着荷重)2452 2452 L.W.I.
(荷重摩耗指数)471 392
- ※記載の数値は代表性状値であり、保証値ではありません。また、適用例、使用温度範囲、数値は選定の目安となるもので、 実際のご使用に際しては、お客様にて、性能・効果ならびに安全性を良くご確認下さい。
- ※使用する前に安全データシート(SDS)をご確認下さい。
- ※記載の内容は、弊社の都合により、予告なく変更する場合があります。
- ※掲載されている写真はイメージ画像です(試験結果は除く)。